犬が見ている世界は?視覚が悪いのは本当?
人は視覚・味覚・聴覚・嗅覚・触覚の五感でさまざまな情報を得ています。
それはわんちゃんも同じです。
しかし、人とわんちゃんでは同じように見えていないことをご存知でしょうか?
もし、あなたが「今からわんちゃんの視覚で生活してね!」と言われると不安になることでしょう。
それぐらいわんちゃんの視覚はよくありません。
だからこそ嗅覚など他の部分が人より優れていたりします。
今回はそんなわんちゃんの視覚についてご紹介します。
あなたの愛犬がどんな世界を見ているのか、覗いてみましょう。
犬の視覚の5つの特徴
視力が良くない
「もともと狩りをしていたんだから視力が良いんじゃない?」
と意外に思う人もいるのではないでしょうか?
わんちゃんの視力は「0.2~0.3」程度しかありません。
はっきりと見える範囲は「2~3m」程度。
わんちゃんは焦点を合わせる能力がかなり低いです。
そのため、静止しているものに関してはほとんどがぼんやりと見えています。
動体視力が優れている
静止しているものを見る力はよくありませんが、動いているものを見る力は優れています。
なんと人の動体視力の「4倍」以上。
「800m」先まで認識することができる犬種も。
人では目視できないものも捉えることができます。
なので、テレビは人にとってスムーズに見えますがわんちゃんにはカクカクして見えるのです。
もともとは狩りをしていたので本能的に動きのある物体に関して認識する能力が優れているのでしょう。
暗い場所でも認識ができる
夜、部屋を暗くしてもしっかりとした足取りで歩いている愛犬の姿を見たことはありませんか?
人だと暗い場所では手探りで歩いたりするのですが、わんちゃんはぶつかることなく歩くことができます。
わんちゃんはもともと夜行性で、目の構造が異なります。
その結果、暗闇の中でも人の「5倍」物体を把握することができるんです。
わずかな光でも取り込み、反射させることで光を増幅することができます。
そのため暗い場所でも把握することができ、歩くことができるんです。
愛犬と写真を撮るとき、目が光っていることはありませんか?
これは目の構造の違いにより光が増幅されているためです。
視野が広い
人は右目と左目の視野を合計すると「180~200度」程度。
わんちゃんは全体で「250度」程度です。
野生動物の世界では周囲の情報を早く把握することは生死に関わってきます。
そのため、わんちゃんの方が広範囲に渡って把握することができます。
顔に対して少し横に目がついている犬種の場合はもう少し広くなりますね。
しかし、両目で同時に見て立体的に認識することのできる範囲は人が「120度」程度で、わんちゃんが「80度」程度。
目の前を走って逃げようとする獲物だけは逃さないように特化したためです。
色の識別に関して
「犬は白と黒の世界で生きている。」
と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?
しかし、研究により間違いとわかりました。
実際は「青」と「黄」の2種類を認識できると確認されています。
残念ながら「赤」は把握することができません。
そのため、「赤」は「グレー」に、「緑・オレンジ」は「黄色」、「紫」は「青色」に見えています。
わんちゃんは人ほど色を識別することができません。
このことを考えると遊ぶときの場所やボールの色には注意した方が良いでしょう。
まとめ
視力が悪かったり、色の識別があまりできなかったりと意外なことがあったのではないでしょうか。
人が感動するような綺麗な景色を見てもわんちゃんにはぼやけたり、くすんだりしていることも…
わんちゃんの見えている世界のことを理解して関係を築いていきましょう。